病院向け業務効率化ツール7選|選び方も解説【2026年版】

【2026年版】病院向け業務効率化ツール7選|選び方も解説

「スタッフの残業が減らない」「事務作業に追われて患者と向き合う時間が足りない」とお悩みではありませんか。

医療現場の業務効率化は、自院の課題に合ったツールを選ぶことで着実に進められます。本記事では、病院の業務効率化を実現する具体的なツールを、実在する製品名や費用の目安とあわせて7つ紹介します
あわせて、導入で得られるメリットや失敗しない進め方も解説します。

人手不足や煩雑な事務作業に課題を感じている医療機関の担当者は、ツール選定の判断材料としてご活用ください。

病院の業務効率化が必要な理由と課題

なぜ今、病院の業務効率化が急務とされているのでしょうか。
背景には、医療業界が抱える構造的な課題があります。国も医療DXを重要施策として推進しており、デジタル技術を活用した業務改善は、もはや一部の先進的な医療機関だけのものではなくなりました。

まずは、業務効率化に取り組むべき4つの理由を整理します。

深刻化する医療人材の不足

医療業界では、慢性的な人手不足が大きな課題となっています。2030年までに約187万人の医療人材が不足すると予測されており、看護師についても2025年に約27万人が不足する可能性が指摘されてきました。

加えて「2025年問題」も無視できません。団塊の世代が後期高齢者に到達し、75歳以上の人口が急速に増加する一方で、現役世代である生産年齢人口の減少は加速していくと見込まれています。

つまり、医療を必要とする人が増えるのに、支える側の人材は減るという厳しい状況です。限られた人員で質の高い医療を維持するには、業務効率化が欠かせません。

医師の働き方改革への対応

2024年4月から、医師の時間外労働に上限規制が適用されました。長時間労働が常態化してきた医療現場では、労働時間を適正に管理しながら、業務量そのものを減らす取り組みが求められています。

一人ひとりの負担を増やさずに労働時間を短縮するには、業務の進め方を見直し、ツールで省力化することが現実的な手段です。業務効率化は、働き方改革に対応するうえでも重要な施策といえます。

紙ベースの事務作業による負担

問診票の手渡しやスキャン、カルテへの転記、レセプト作成といった事務作業は、多くの医療機関で大きな負担となっています。

紙ベースの運用は転記ミスや情報共有の遅れを招きやすく、スタッフの貴重な時間を奪う原因にもなります。こうした作業をデジタル化できれば、本来注力すべき診療やケアに人手を回せます。受付や会計、カルテ管理といった日常業務を体系的に整理し、デジタルツールに置き換えることが効率化の鍵となります。

システムのデジタル化が進みにくい現状

医療現場ではデジタル化の余地が大きく残されています。基本的なシステムである電子カルテでさえ、2020年時点では200床未満の病院の導入率が59.3%と、6割に届いていませんでした。

人手不足ゆえにデジタル化を進める余裕がなく、結果として負担が減らないという悪循環に陥っているケースも少なくありません。この循環を断ち切る第一歩が、適切なツールの導入です。

病院の業務効率化ツール7選

ここからは、病院の業務効率化に役立つツールを7つ紹介します。代表的な製品と費用の目安もあわせて挙げるので、自院の課題に合わせて検討してみてください。なお、紹介する料金は2026年5月時点の公開情報に基づく目安です。

1.クラウド型電子カルテ

電子カルテは、紙カルテをデジタル化し、患者情報を一元管理するシステムです。業務効率化の土台となり、後述する各種システムとの連携の起点にもなります。

近年は、サーバー設置が不要で初期費用を抑えられるクラウド型が主流です。
代表的な製品には、
メドレーが提供するCLINICS、
エムスリーデジカル、
ウィーメックスのきりんカルテ、
DONUTSのCLIUS

などがあります。

たとえばエムスリーデジカルは、レセコン一体型プランで初期費用なし、月額24,800円から導入できます。CLINICSも初期費用0円で、必要なオプションを組み合わせて利用できます。

AIによる入力補助や音声入力に対応した製品も増えており、カルテ入力の時間短縮につながります。導入時は、自院の診療科や運用フローに合った機能を備えているかを確認しましょう。既存の紙カルテからのデータ移行や、スタッフが操作に慣れるまでの期間も見込んでおくと、導入後の混乱を抑えられます。クラウド型は法改正への対応やバージョンアップをベンダー側が行うため、運用負担が軽い点も中小規模の医療機関に適しています。

2.Web問診・AI問診システム

Web問診システムは、患者が来院前にスマートフォンなどで問診票を入力できる仕組みです。

電子カルテと連携している場合、入力内容が自動で転記されるため、受付スタッフは紙問診の受け渡しやスキャン、カルテへの転記、廃棄といった作業を削減できます。代表的な製品にはSymViewがあり、初期費用27万円から、月額1万2000円から利用できます。

AIを活用した問診では、症状に応じて必要な質問を絞り込めます。
実際に、石巻赤十字病院ではユビーAI問診の導入により、1回の診察あたり3分の作業時間短縮を達成した事例が報告されています。

問診の精度が高まることで、医師や看護師は来院前に患者の状態を把握でき、診療そのものの効率化にもつながります。多言語対応の問診を備えた製品もあり、外国人患者への対応に課題を抱える医療機関にも有効です。導入にあたっては、自院で使っている電子カルテと連携できるかを必ず確認しましょう。

3.オンライン予約・受付システム

電話予約や対面受付の負担を軽減するのが、オンライン予約・受付システムです。

患者が24時間いつでもWebから予約でき、電話対応の件数を減らせます

代表的な製品には
メディカル革命 byGMOがあり、電子カルテやWeb問診との連携に対応しています。予約から問診、会計までの患者の動線をまとめてデジタル化すれば、受付業務全体を大きく効率化できます。

待ち時間の短縮や混雑の緩和にもつながり、患者の利便性向上にも寄与します。診察券のデジタル化や呼び出し機能を備えた製品もあり、受付まわりの省力化に役立ちます。電話が鳴り続けて他の業務が中断されるという、現場でよくある悩みの解消にも効果的です。

4.オンライン診療システム

オンライン診療システムは、ビデオ通話などを通じて遠隔で診察を行う仕組みです。

通院が難しい患者への対応や、院内の混雑緩和に役立ちます。代表的な製品であるcuron(クロン)は、医療機関側の初期費用・月額費用が無料で、費用は決済額の4%の決済手数料が発生する仕組みです。患者はアプリ利用料として1診察あたり330円(税込)を負担します。

再診や慢性疾患のフォローなど、対面でなくても対応できる場面での活用が効果的です。ただし対象となる診療には一定のルールがあるため、運用前に関連する制度を確認しておく必要があります。導入のハードルが低い製品も多く、まずは試験的に始めてみるのも一つの方法です。患者にとっても通院の時間や交通費を抑えられるため、遠方からの通院が負担になっていた層の受診継続にもつながります。

5.RPAなどの業務自動化ツール

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、定型的なパソコン作業を自動化するツールのことです。

レセプト処理やデータ入力、帳票出力といった繰り返し作業を自動化することで、事務スタッフの負担を減らせます。代表的な製品にはロボパットDXやWinActorなどがあります。人が行うよりミスが起きにくく、夜間や早朝でも稼働できる点も強みです。

毎月決まった作業に多くの時間を取られている業務がある場合、自動化の効果を見込めます。まずは件数が多く手順が決まっている作業から対象にすると、導入効果を実感しやすくなります。ただしRPAは手順が変わるたびに設定の見直しが必要になるため、対象とする業務の範囲を明確にしてから導入することが大切です。

6.勤怠・シフト管理システム

医療機関は交代制勤務や夜勤が多く、勤怠・シフト管理が複雑になりがちです。

勤怠管理システムを導入すれば、ICカードやスマートフォンでの打刻に対応でき、集計作業を自動化できます。代表的な製品であるKING OF TIMEは、1ユーザーあたり月額300円から利用でき、医療を含む幅広い業界で導入されています。ジョブカン勤怠なども選択肢になります。

クリニックや診療所では、高度な機能よりも使いやすさと価格が重視される傾向があるため、自院の規模に合った製品を選ぶことが大切です。労働時間の適正な管理は、前述した働き方改革への対応という観点でも重要です。複雑な夜勤シフトや変則勤務にも対応できるか、給与計算ソフトと連携できるかも、選定時の確認ポイントになります。

7.院内コミュニケーション・情報共有ツール

ビジネスチャットや情報共有ツールは、院内の連絡を効率化します。

口頭や紙のメモに頼った伝達は、伝え漏れや確認の手間が発生しがちです。ChatworkやSlackなどのチャットツールを使えば、必要な情報を必要な人に素早く共有でき、記録としても残せます。

部署をまたいだ連携や、申し送りの効率化にも効果を発揮します。無料プランから始められる製品も多く、まず導入しやすいツールといえます。患者の個人情報をやり取りする際は、一般向けの無料ツールではなく、セキュリティ要件を満たした環境を選ぶことが重要です。

7つのツールの比較一覧

ここまで紹介したツールを、代表的な製品と費用の目安、主な効果で整理すると以下のとおりです。

ツール代表的な製品費用の目安主な効果
クラウド型電子カルテCLINICS、エムスリーデジカル月額2万円台〜(初期費用なしの製品あり)情報の一元管理と共有
Web問診・AI問診SymView、ユビーAI問診初期27万円〜、月額1.2万円〜受付と転記作業の削減
オンライン予約・受付メディカル革命 byGMO要問い合わせ電話対応の削減
オンライン診療curon医療機関は初期・月額無料、手数料4%院内混雑の緩和
RPAロボパットDX、WinActor製品により異なる定型作業の自動化
勤怠・シフト管理KING OF TIME、ジョブカン1人月額300円〜集計と管理の自動化
情報共有ツールChatwork、Slack無料プランあり連絡の効率化

費用は各社のプランや構成によって変動します。最新の料金や機能は各社公式サイトでご確認ください。

病院の業務効率化で得られる3つのメリット

ツールを導入し業務効率化を進めることで、医療機関にはさまざまなメリットが生まれます。代表的な3つの効果を見ていきましょう。

スタッフの負担軽減と離職防止

事務作業や手作業が減ることで、スタッフ一人あたりの負担が軽くなります。

残業時間の削減や労働環境の改善は、働きやすさにつながり、人材の定着にも好影響を与えます。人手不足が深刻な医療業界において、今いるスタッフが長く働き続けられる環境づくりは重要な経営課題です。新たな人材の採用が難しい状況だからこそ、既存スタッフの離職を防ぐ意義は大きいといえます。負担の偏りが解消されれば、特定のスタッフに業務が集中する属人化の防止にもつながります。

医療の質とサービス向上

効率化によって生まれた時間を、患者と向き合う時間に充てられます。

情報共有がスムーズになればヒューマンエラーの予防にもつながり、安全性の向上が期待できます。待ち時間の短縮や予約のしやすさは、患者満足度の向上にも直結します。スタッフが事務作業から解放されることで、丁寧な説明や声かけといった、患者一人ひとりに寄り添った対応にも時間を割けるようになります。結果として、地域に選ばれる医療機関としての信頼にもつながっていきます。

経営の安定化

業務効率化はコスト面でも効果をもたらします。

作業時間の削減は人件費の最適化につながり、限られたリソースを有効に活用できるようになります。紙やインク、保管スペースといった物理的なコストの削減も見込めます。さらに、蓄積したデータを分析することで、予約状況や患者の傾向を経営判断に活かせるようになる点も見逃せません。長期的に見れば、安定した医療提供体制を支える経営基盤となります。

病院の業務効率化を成功させる方法

ツールを導入すれば必ず効率化できるわけではありません。成功させるためのポイントを押さえておきましょう。

課題を整理し優先順位をつける

まずは自院のどの業務に負担が集中しているかを洗い出します。

受付なのか、事務処理なのか、情報共有なのか、課題は医療機関ごとに異なります。すべてを一度に変えようとせず、効果の大きい業務から優先的に取り組むことが成功への近道です。現場へのヒアリングを通じて、どこに時間がかかっているかを可視化するところから始めましょう。

小さく始めて効果を検証する

最初から大規模なシステムを一斉に導入しようとすると、現場が混乱し、コストの負担も大きくなります。

まずは一つの業務、一つの部署に絞ってツールを導入し、効果を検証してから対象を広げていく進め方が安全です。小さく始めることで、現場の声を反映しながら無理なく定着させられます。導入後は、削減できた時間や作業件数といった指標で効果を測定し、次の改善につなげましょう。

現場が使いやすいツールを選ぶ

どれほど高機能でも、現場で使われなければ意味がありません。

実際に操作するスタッフの意見を取り入れ、無理なく運用できるツールを選びましょう。導入後のサポート体制が整っているかどうかも、重要な判断基準になります。多くの製品では無料トライアルやデモが用意されているため、本格導入の前に操作性を確認することをおすすめします。年齢やITスキルにばらつきのある現場では、画面の見やすさや操作の分かりやすさが定着を左右します。導入を主導する担当者を決め、運用ルールを整えておくこともスムーズな定着につながります。

システム連携とセキュリティに配慮する

複数のツールを導入する場合、相互に連携できるかを確認することが大切です。

電子カルテとWeb問診、予約システムが連携していれば、転記の手間を大きく減らせます。一方で医療情報は機密性が高いため、国が定める3省2ガイドラインに準拠したセキュリティ対策も欠かせません。アクセス権限の管理やデータの暗号化など、安全な運用体制をあわせて整えましょう。導入を検討する製品が、こうした医療情報の取り扱い基準に対応しているかは、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。

補助金の活用を検討する

ツール導入には費用がかかりますが、補助金を活用すれば負担を抑えられます。

医療機関のシステム導入を支援する医療情報化支援基金や、中小規模の事業者が使えるIT導入補助金などが代表的です。対象となる製品や申請条件は年度によって変わるため、導入前に最新の情報を確認しましょう。規模が小さい医療機関ほど補助金活用の余地が大きいとされています。申請には書類の準備や手続きが必要になるため、余裕をもったスケジュールで進めることをおすすめします。導入を支援する事業者のなかには、補助金の申請サポートを行っているところもあります。

自院に合わない場合は開発も選択肢になる

既存のツールが自院の業務にうまく合わない場合や、複数のシステムを連携させた独自の仕組みを作りたい場合は、自院の運用に合わせたシステムを開発するという選択肢もあります。

近年は、プログラミングを行わずにアプリやシステムを構築するノーコード開発により、従来よりも低コスト・短納期での開発が可能になっています。既製ツールでは要望を満たせないと感じている場合は、オーダーメイドの仕組みも検討してみてください。たとえば、複数の診療科で異なる運用を一つの画面にまとめたい、特定の集計業務だけを自動化したいといった、自院ならではの要望にも柔軟に対応できます。既製品とオーダーメイドを組み合わせ、足りない部分だけを開発するという方法も有効です。

病院の業務効率化は自院に合ったツール選びから

本記事では、病院の業務効率化を実現するツールを7つ紹介しました。

医療業界の人手不足は今後さらに深刻化が見込まれ、限られた人員で質の高い医療を維持するために業務効率化は不可欠です。

電子カルテやWeb問診、予約システムなど、自院の課題に合ったツールから取り組むことが成功への第一歩となります。まずは負担の大きい業務を一つ選び、小さく始めて効果を確かめながら範囲を広げていくとよいでしょう。

一方で「どのツールを選べばよいか分からない」「既製ツール同士を連携させたい」「自院専用の仕組みを作りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

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現場での使いやすさを重視し、企画の段階から御社と併走してご提案いたします。まずは無料相談から、自院の業務効率化についてお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q.業務効率化ツールの導入にはどれくらいの費用がかかりますか?

ツールの種類や規模によって大きく異なります。勤怠管理や情報共有ツールは1人月額数百円から、電子カルテは月額2万円台から導入できる製品があります。一方、複数システムを連携させた独自の仕組みや自院専用システムの開発には、相応の費用がかかります。PICK UPではノーコードを活用し、自社開発の場合でも通常の約1/3のコストで対応可能です。

Q.小規模なクリニックでも業務効率化は可能ですか?

可能です。むしろ少人数で運営しているクリニックほど、一人あたりの負担を減らす効果が大きくなります。受付や問診など、負担の大きい業務から優先的にデジタル化を進めるのがおすすめです。

Q.業務効率化ツールの導入に補助金は使えますか?

製品や時期によっては利用できる場合があります。医療情報化支援基金やIT導入補助金などが代表的ですが、対象となる製品や申請条件は年度によって変わります。導入を検討する際は、最新の公募情報を確認することをおすすめします。

Q.既存のシステムと連携できるか不安です。

電子カルテをはじめとする既存システムとの連携可否は、導入前に確認すべき重要なポイントです。連携範囲は製品によって異なるため、現状の構成を整理したうえで最適な進め方を検討することをおすすめします。PICK UPでは既存環境を確認したうえでご提案します。

Q.ノーコード開発でもセキュリティは大丈夫ですか?

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